気まぐれコラム
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借金を減らすことはいいことなのか

 日本製紙は、第3次中期経営計画の中で2012年3月末までにD/Eレシオを1.5倍にすることことを明らかにした。有利子負債を800億円減らして、これを達成しようというのである。
 日本の企業は「無借金経営」であることが美徳のように思っているのではないだろうか。本当に無借金経営はいいことなのだろうか。鉄鋼や紙パのような装置産業は設備投資にお金がかかるので、自己資金だけではまかなえずに、ほかの産業と比べると、借入金に頼る比率がどうしても高くなる。
 こうした資金需要を自己資金でまかなおうとすると、不足する分は増資などによって手当てしなければならなくなる。増資は、増資をすること自体に手間とコストがかかるし、増資で集めた資金には配当を払う必要がある。つまり、増資でお金を集めても「金利」はかかるのだ。増資は別の意味で「有利子負債」である。
 むしろ、借入金でも長期借入金はすぐに返さなくてもいいので、金利のかかる資本金ととらえることができるのではないだろうか。
 日本製紙は、第3次中経を発表したあとで、中国の段原紙メーカーの理文造紙に出資を決めている。この資金は借入金を充てるため、D/Eレシオは悪化する。たぶん、経営者はD/Eレシオの悪化よりは利益成長をのぞんだのだと思う。
 この判断は間違いではないと思う。無理に有利子負債を少なくすることを経営目標に据えるよりも、借入金を増やしてでも成長戦略をきちんと示したほうが、ステークホルダーにとってはいいのではないだろうか。


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