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2大印刷、第2四半期は印刷・出版の売上高が減少

 2015年3月期の印刷業界は、インターネット広告や電子書籍などの新しい市場が順調に拡大する一方で紙媒体の需要減少や競争激化による受注単価の下落、円安の進行による原材料価格の上昇、一部に消費税増税の反動減の影響などもあり、全体を通して厳しい経営環境となった。
 こうした状況の中、印刷上位3社は、生産の効率化、収益体制の強化、新事業の創出、顧客サービスの向上、グローバルな事業展開の加速などに積極的に取り組んだが、収益面で明暗が分かれた。
 凸版印刷は、出版市場が依然として縮小傾向で推移する中、雑誌・書籍ともに売上高は前年同期を下回った。また、パッケージ関連では、夏場の全国的な天候不順の影響で一部部の製品の売上高が減少したものの、「注ぎ上手」や「エアホールドパウチ」などの軟包装材が利便性のニーズを取り込んで増加したほか、プラスチック製品も前年同期を上回った。
 大日本印刷も書籍を中心に積極的に営業を展開したが、出版市場の低迷で、書籍・雑誌ともに売上高は前年同期を下回った。商業印刷関連では、ちらし、カタログなどの印刷物が全般的に減少し、前年同期を下回った。包装関連では、紙のパッケージは前年を下回ったが、プラスチックフィルムパッケージが堅調に推移。教育・出版流通事業では、書店の店頭販売とネット通販、電子書籍販売サービスを連携させたハイブリッド型総合書店「honto」の事業拡大が奏功し前年を上回った。
                               (紙之新聞


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