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神戸・賀川記念館、福音印刷ゆかりの希少な聖書を公開

 『赤毛のアン』などの翻訳家・村岡花子(1893〜1968)を主人公にしたNHK連続テレビ小説「花子とアン」の放映に関連し、明治、大正期に聖書の印刷で知られた福音印刷がスポットを浴びている。
 賀川記念館(神戸市)は開催中の特別展「花子とハル展」(9月2日〜10月31日)で、福音印刷の聖書18冊を展示した。同印刷で製本された聖書は大半が戦災や弾圧などで消失しており、希少な所蔵品として公開されている。
 同館はクリスチャンの社会運動家・賀川豊彦(1888〜1960)の業績を紹介するミュージアム。豊彦の妻、ハル(1888〜1982)が花子の遠戚にあたることから、同展は企画された。
 福音印刷は村岡平吉(1852〜1922)が横浜で創業。花子の夫である敬三(1887〜1963)は平吉の三男であり、平吉から同印刷の事業を引き継ぐも、1923年の関東大震災で会社は壊滅した。
 一方、敬三とハルが従姉弟であることは知る人ぞ知る。ハルは女工として同印刷神戸工場で働き、讃美歌の指導で同工場を訪れた豊彦と出会う。花子もハルも福音印刷とゆかりが深く、特別展では激動の時代を生き抜いた2人の女性の半生を比較しながら観賞できる内容となっている。
                               (紙之新聞


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