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京都・便利堂、社員らが挑戦したコロタイプ印刷を展示

 美術印刷の便利堂(京都市)は、6月24日から7月18日まで、本社1階のコロタイプギャラリーで「コロタイプ手刷りプリントのおもしろさ展」を開いた。社員らがコロタイププリントしたモノクロ写真作品52点を展示した。今年で2回目。
 同社は1887(明治20)年創業。日本で唯一、多色刷コロタイプ工房を持ち、数多くの文化財の複製を手掛けている。昨春、同ギャラリーをオープンし、コロタイプの伝統技術を広く発信している。
 コロタイプは19世紀中ごろにフランスで発明された、顔料による写真印画技法。写真のネガフィルムを刷版に焼き付け、職人が一色一色、手作業で手漉き和紙などに刷り重ねる。極めて繊細で豊かな表現が可能で、長期の保存に優れる。ガラス版を原版に使用することから、日本では「琉璃(はり)版」と呼ばれていた。
 昨年に続いて、今年も営業やショップ担当など社員52人が、同社の職人から指導を受け、コロタイププリントに挑戦。京都の街並みや寺社、草花、家族などの写真をそれぞれ持ち寄り、和紙や絹本などにローラーを使って手刷りした。いずれの作品も白や黒、グレーの階調が幅広く表現され、会場を鮮やかな濃淡で彩っていた。
                               (紙之新聞


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