お問い合わせ
藤原科学財団、中村・宮下両東大教授に藤原賞を授与

 「第55回藤原質贈呈式」が6月17日午後4時から東京・神田錦町の学士会館2階講堂で開催された。主催は藤原科学財団(篠田和久理事長)。受賞者は、東京大学大学院理学系研究所の中村栄一特例教授と東京大学大学院医学系研究科の宮下保司教授。
 篠田理事長は開会挨拶で今年は39件の応募があり、1月に締め切って以来、数次に渡って選考を重ね、中村教授と宮下教授の2人に決定したことを知らせ、「研究業績は海外での評判も高く、今後の飛躍を期待します」と述べた。その上で、2人の業績を次のように知らせた。
 選考委員長の山崎敏光・東京大学名誉教授は、中村教授の「精密分子設計に基づく分子科学・技術のフロンティアの開拓」は、カーボンナノチューブに有機分子を固定することで、分子の構造変化や化学反応を電子顕微鏡で動画撮影することに成功し、有機薄膜太陽電池を開発し実用化されている業績を評価し、「見えないものを見えるようにするための研究を続けられ、新しい分子をつくりだされたのは偉大」と評価されていた。
 また、宮下教授の「認知記憶メカニズムの解明」はイメージングを物理学の視点から進めた研究で、脳の記憶のメカニズムを解明した。視覚情報の記憶と検索の仕組みを、サルで実験し、明らかにしたと評価し「今後は、人間を対象とした研究を進められると思います。脳の神経回路分野で第一線で活躍され、志の高い中村先生には感銘しました」と選考経過報告した。
                               (紙之新聞


トップページに戻る