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大阪の印刷会社と社長が胆管がんで略式起訴される

 大阪市中央区の印刷会社「サンヨー・シーワイピー」の元従業員ら17人が胆管がんを発泡し、うち9人が死亡した労災問題で、大阪区検は10月16日、同社と山村徳唯社長(68)を労働安全衛生法違反(産業医の未選任など)の罪で大阪簡裁に略式起訴した。
 起訴状によると、同社は2011年4月から翌年4月までの1年間、従業員50人以上の事務所に義務づけられている衛生管理者や産業医を選任せず、労使一体で対策を検討する「衛生委員会」を設けていなかったとされる。
 同社を巡る胆管がん問題が表面化したのは2012年5月。印刷物の色の具合を確認するために少数枚数だけ印刷する校正印刷の工程で使われたインキ用の洗浄剤が原因とされた。
 翌2013年3月14日、厚生労働省の有識者検討会は、印刷物を洗浄する有機溶剤に含まれている化学物質(ジクロロメタンと1、2ジクロロプロパン)に長時間、高濃度でさらされると、胆管がん発症につながる可能性があると正式に発表。
 これを受けて大阪中央労働基準監督署は同月27日、同社で働いていた16人について全国で初めて労災認定した。
                               (紙之新聞


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