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大王製紙、チップ専用船で業界初のエコシップ導入ヘ

 大王製紙は木材チップを運ぶ専用船に燃費性能に優れた「エコシップ」を導入する。同社の輸送船舶の3分の1に当たる3隻を2017年度に切り替える予定だ。
 エコシップとは、燃費性能が高く、CO2の排出量が少ないなど、環境負荷を低減する技術を採用した船舶の総称。水や風の抵抗をより減らす船型にして、エンジンの駆動は運行速度などに応じて電子で細かく制御する。後方のプロペラで起こった渦巻きの方向を整えることで、より高い推進力を得られる仕組みも取り入れている。これらの仕様から、従来の船舶に比べて燃料を2〜3割減らすことが可能になる。すでにLNG運搬や鉄鉱石などのばら積み舶での導入が相次いでいるが、製紙業界での利用はこれが初めてとなる見通しだ。
 大王製紙は現在、9隻の専用船を使って米国やベトナムなどから木材チップを輸入している。同社の木材チップの専用船を運航する大王海運の四国本社(愛媛県四国中央市)が今治造船(愛媛県今治市)に載荷重量約5万トンのエコシップ3隻を発注。発注額は90億円で、大王製紙が15年間独占的に利用する。
 チップ専用船はばら積み船と比べて稼働する数が少ないため、エコシップの建造が遅れていた。大王製紙は今回、3隻をまとめて契約することで発注に漕ぎ着けたという経緯がある。
                               (紙之新聞


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