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2年ぶりのカセイソーダ値上げで紙パ業界にも影響か

 製紙メーカーが古紙の脱墨剤として大量に使用するカセイソーダ(水酸化ナトリウム)の国内取引価格が、ほぼ2年ぶりに上昇した。最大の需要家である紙パルプ業界での影響が注目されている。
 日本ソーダ工業会(橋本太会長)の統計によると、カセイソーダの国内需要は2013年10月に25万6852トン(前年同月比2・2%増)と増加に転じて以降、2014年5月に25万7423トン(同5・2%増)を記録するまで、8ヵ月連続してプラスとなっている。電気料金の上昇や輸入に頼る工業塩の値上がりの転嫁に加え、こうした国内需要の増加も影響してカセイソーダの値上がりにつながった。
 値上げ幅はメーカーや取引量によってばらつきがあるが、1キロ当たり5〜10円(8〜15%)と見られている。最大手の東ソーが2012年末に値上げを打ち出して以降、昨年にかけて各社の値上げ表明が相次いだ。値上げ表明後は、各需要家の姿勢に温度差が目立ち、交渉は長期化した。特に製紙各社はカセイソーダの需給が締まっていないことを理由に最後まで値上げを拒んでいたが、最終的に上げ幅を圧縮する形で受け入れた。
 2013年度の紙パ業界は、円安による原材料費の高騰で厳しい経営環境での事業展開を余儀なくされたが、今回のカセイソーダの値上げも大きなインパクトとなる可能性は高く、今後の動向が注目される。
                               (紙之新聞


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