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ナノセルロース繊維、実用化へ「産・官・学」の連携進む

 木質組織由来で鉄と比べて重さは5分の1ほどなのに約5倍の強度を持つ次世代の繊維「ナノセルロース」の実用化に向けて、産官学の連携が進んでいる。
 去る6月9日には、経済産業省主導の産学官コンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」を設立。木材会館(東京都江東区)で設立総会が開催された。同フォーラムには、王子ホールディングス、日本製紙などの製紙大手のほか、トヨタ車体、三菱自動車、三井化学、花王などの関連企業、関係団体、行政機関計27社・団体が参加するほか、大学などの研究者41名が加わった。
 来賓として出席した松島みどり・経済産業副大臣は、「ナノセルロースは無限の可能性を持っている。日本の豊かな森林資源を活用するためにも、国家的プロジェクトとして取り組んでいきたい」と意欲を述べ、政府も成長戦略の一環として支援していく方針を明らかにした。
 政府では、用途が広がり大量生産できるようになれば、2030年に価格を現在の10分の1程度の「1キロ当たり500円以下」にできると見ている。炭素繊維に価格面で負けない素材に育て、2030年の関連市場規模を1兆円規模まで拡大するのが目標だ。
                               (紙之新聞


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