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不織布協会、機能紙によるビジネス創出などで講演

 日本不織布協会(井上和久会長)主催の「ANNA講演会」が3月20日、大阪産業創造館(大阪市)で開かれ、関連企業39社から55人が参加した。当日は3つの講演があり、紙関連では廣瀬製紙(高知県土佐市)社長の岡田勝利氏が「廣瀬製紙のもの作りとグローバル展開」の演題で登壇した。
 廣瀬製紙は、ビニロンやポリエステル、ポリオレフィンなど合成繊維を用いた湿式不織布(機能紙)を製造・販売。製品は電池セパレータや高性能フィルター、断熱材などの素材に使われ、アルカリ乾電池用セパレーツは国内80%、海外30%のシェアを誇る。
 世界一薄い抄紙技術を持つグローバル企業として知られ、海外販売比率は10年の62%、11年の65%からさらに拡大し、12年は全体の70%を占めた。
 講演で岡田社長は今年度を「第二の創業」と位置づけ、「創業時の開拓精神を基本に、蓄積してきた抄紙・製造技術を実用化する」と明言。現在はリチウムイオン電池用セパレータに適用できるナノファイバー不織布の生産実用化を進めるなど、新規ビジネス創出に向けた取り組みを話した。
 また、昨年に新工場の「エクセニア工場」が完成し、今年度から本格稼働したことに触れた。受注から抄紙、出荷まで一気通貫の仕組みを構築しており、「世界に発信できる工場を設立した。生産の強い、正確な流れを作る」と、コンセプトを語っていた。
                               (紙之新聞


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