11年の出版、書籍は横ばいも雑誌が大幅減少
出版科学研究所のまとめによると2011年の出版物販売額は前年比3・8%減の1兆8042億円となり、3年連続して2兆円を下回った。ほぼ前年並みを保った書籍に対して、雑誌は過去最大の落ち込みとなり不振が深刻。このままでは10年も待たずに雑誌の販売金額が書籍のそれを下回る逆転現象が想定され、「雑誌の収益で支えてきた業界構造の崩壊」となると同研究所は危機感を強めている。
昨年の書籍の販売金額は8198億円、前年比0・2%減。5年連続のマイナスだが、それまでの落ち込みにストップがかかった格好となった。前年に続いて取り組んだ返品量減少をねらった送品量抑制や販売条件の弾力的運用などの流通改善策が成果となっている。ミリオンセラーが前年比倍増の10点に連したなど、売れた本が多かった。
また、震災関連書の発行が4月以降858点にのぼり、大震災後の不安な情勢のなかで読者個々のニーズにきめ細かく応えられる書籍に関心が向かったことも書籍が健闘した要因にあげている。
一方、雑誌の販売金額は9844億円、同比6・6%減で過去最大のマイナス幅となり、1兆円を割り込んだ。創刊活動が鈍化していることも問題点として浮上している。同研究所は「時代の気分を映しながら買う商品」である雑誌だけに、震災の影響も大きかったと見ているが、読者の趣味や嗜好が多様化して既存の雑誌に魅力が乏しく若者が雑誌に関心を向けていないことが販売不振の大きな要因と指摘。
(紙之新聞)
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